また建設投資は国民総生産の約10パーセント強にもなり、2005年には52兆円にもなりますが、今後の人口減少で、中長期的には低成長経済、延いては税収不足になり公共投資が減少することが予測され、2010年には47.3兆円、2020年には42.7兆円にまで縮小せざるを得ないと言われております。他方で維持改修部分は2005年には23兆円が、2020年には27.4兆円にまで拡大し、大規模な社会資本の新規投資は縮小せざるを得ない状況に陥ると考えられております。
人口減少の影響で建設業界の需給が縮小するという、この予測だけを見ると建設業界は斜陽産業に思えますが、果たしてそうだと言えるのだろうかというのが今回のテーマであります。
未来は、これまでの延長線上で捉えるだけならば、詰まらないものでしょう。それならば確かに成熟した建設業界は衰退産業へまっしぐらとなることでしょう。これは他の業界でも同じことが言えると思います。しかし未来が面白いのは、不連続に突然変化することだと思います。
私は二十世紀型の建設業スタイルは終了したのだと思います。それは人口増加社会における中央集権型国家スタイルで、国土の均衡ある発展を目指し、全国津々浦々同じような建築物を作るものでありました。つまり何もない処から作るというものです。このスタイルを続ける限り、衰退することでしょう。
しかし二十一世紀型の建設業は大きく変わるものと期待されております。これは人口減少社会における地方分権型スタイルであります。間違いなく日本は2015年〜2020年には道州制に移行し、その地域の魅力ある地域作りがテーマになります。こちらの場合は既にあるものから更に付加価値を創ると言った方が良いかもしれません。
日本の場合、地方の港湾や空港もしくは道路整備はまだ遅れておりますし、道州制に移行した場合、産業インフラ作りが急務の課題となることでしょう。特に港湾に関しては釜山や香港、上海などがアジアのハブ港湾化し、日本はそのまま通過するような事態になりつつあります。日本の港湾に関しても大型コンテナ船を迎え入れられる十五メートル水深規模の港湾開発、二十四時間の荷役サービス整備など開発する必要性があるものと思います。更に二十世紀型のモノ作り産業が中国など海外へ移転して産業空洞化が加速している中で、工場跡地をサービス施設や住宅地に変更するなど変化しております。高齢者対応型のバリアフリーに向けた再構築が求められるようになります。更に環境問題やエネルギー高騰を受けて、省エネルギー化や温暖化対策などを施した都市整備が進みます。
それでは、このような新しい建設需要に対して、縮小する公共投資に代わる投資資金はあるのでしょうか。それがあるのです。世界には約6000兆円もの金融資産と1京円近くの金融マネーがあまっており、今は投資するものが無いから、石油や穀物、貴金属、株式そして米国の不動産に還流していたのですが、それらが弾けて、今後は世界の各地域のインフラ整備に流れるものと期待されております。
日本でも道州制などが敷かれ、国土の再整備になれば、この余剰資金から投資が向けられる可能性があります。地域再開発に成功すれば、海外からの移民も含め定住人口が増加、都市経済は活性化し投資が回収できます。しかしどのような地域でも投資が来る訳ではありません。大事なのは魅力ある地域つくりが果たして出来るか否かです。この点に関しては、社会資本の整備が故に政治に期待しなくてはなりませんが、日本が生き残るために、進まざるを得ない方向転換であると思います。プロデュース能力が問われてくる時代です。
建設事業者にとってのもう一つの問題の労働力不足に関しては、生産性の向上しかありません。建設事業が二十一世紀型に変化する中で、高度な専門技術が求められてきます。企業としては専門特化し、コスト削減努力を追及するとともに魅力ある職場に変革する必要があるでしょう。下請けとしての土建屋から二十一世紀型の専門プロ集団へ向けて変われるのか否か、問われてくるでしょう。
それ以外の建設事業者は残念ながら淘汰されてくることだと思います。今までが異常だったと思ってください。そしてこれからが本当の勝負だと思ってください。お上はもう助けはしませんしできません。何か特別の差別化を作らなければなりません。
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