今の世の中のあり方を決めたのは、この大航海時代であり、いまだにその延長線上にあると思われる。何故か。近代社会を成り立たせているのは、貿易の要となる航路そのものだからである。日本の貿易もインド洋と太平洋航路で成立しているといってもよい。
しかし地球環境の変化によって、今新たな航路が開拓されようとしている。地球温暖化によって誕生する北極海を通る航路である。これが完成すれば、アジア、米国、欧州の航路は非常に短縮される。物流革命が起きるかもしれない。
これは二十一世紀に誕生する新たな航路である。ロシア、米国、カナダ、デンマークの各国の地政学的意味は大きく変更されることとなろう。特にロシアは不凍港を欲しており、これが出来れば工業化に更に弾みがつき、通商が拡大することとなろう。鉄道では輸送能力が限定されるのであり、貿易は港が中心になるものと思われる。
こうなると日本の地理的条件も大きく変わらざるを得ない。北海道がやはり大きな意味を帯びてくるようになるであろう。ベーリング海峡を経て、アジアの玄関口は北海道になる。また樺太なども注目されてこよう。
北海道における工場から世界各地へ物資が運ばれる、もしくは樺太で製造されたものが輸出されるようになろう。私は北海道は地政学的に見れば、今後超長期的には劣位から優位に変わるものと予測している。農業にしても工業にしてもいずれにしろ北海道は北極海航路のアジアの玄関口となる可能性を秘めているのである。
地球温暖化により北極海の氷が溶けていることは、環境問題そのものだが、それにより生ずる経済的地理関係の変化は、またとない好機となるはずだ。
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