| 恋愛と贅沢と資本主義 (講談社学術文庫) 販売元 : Amazon.co.jp 本 価格 : ¥ | |
『恋愛と贅沢と資本主義』(ヴェルナー・ゾンバルト:著 金森誠也:訳 講談社学術文庫)
| プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫) 販売元 : Amazon.co.jp 本 価格 : ¥ | |
| 「欲望」と資本主義―終りなき拡張の論理 (講談社現代新書) 販売元 : Amazon.co.jp 本 価格 : ¥ | |
M・ウェーバーが『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で資本主義成立の原動力を精神的な禁欲に求めたのに対し、ゾンバルトは19世紀フランスの宮廷恋愛という題材を用いて、恋愛とそれに関連する贅沢に資本主義原動力のエンジンを求める。
贅沢は、セックス、不倫、買売春と深く結びついて、資本主義を形成していった。
以下要約するとこんな感じである。
(1)15世紀以降アフリカ大陸やアメリカ大陸を発見し開発することで、またはヨーロッパ内での鉱業そして工業が発展することにより、新たな富裕層が誕生してきた。
(2)このような新富裕層は都市部に居住し、ステータスシンボルを求め、貴族の爵位を銭で購入したり、その財産目当ての没落貴族と婚姻関係を結んだりして、爵位を手に入れた。これにより新貴族層が誕生した。
(3)その新しい貴族の在り方から、新しいジャンルの女性として高級娼婦というのが発生した。
(4)高級娼婦とは肉欲を満たすための従来の娼婦や妻とは違う、愛人と言う恋愛を楽しむパートナーを指す。
(5)彼女たちが好んだ“奢侈”のため、奢侈産業が地区に発展し、産業資本主義が形成された。
産業革命という技術革新で資本主義が拡大したと思うが、起動そのものは人間の欲望に発している点に着目するのは実に愉快である。
マックス・ウェーバーは資本主義の原点をプロテスタンティズムの倫理にしているが、日本にも中国にもその宗教的な原型はないと思われる。欲望、その中でも性欲の在り方の変容が寄与したのは、面白い。
以前の私の日記にも経済様式と恋愛結婚は関係していると記したが、まさしく同じようなことが言えると思う。
http://futureforcast.seesaa.net/article/112784894.html
日本の景気が悪いのは、少子化にも繋がるが、恋愛が減少しているのではなかろうか?若年人口が減少しているが、恋愛の影響も大きいと思われる。贅沢は敵では無く、贅沢は素敵である。恋愛と贅沢という観点から、政策を立案した方が景気対策になるのだと思う。
まぁ兎も角この書籍は一読する価値は十分にあるとは思います。
ゾンバルトのこの書籍が難しい方には、
佐伯啓思『欲望と資本主義』(講談社現代新書)もお勧めです。

