厚生労働省管轄下の人口問題研究所により出された予想図を見ると、明治時代初期に4000万人程度だったものが、高度経済成長のときには1億人を突破した。そして、2004年12月末の1億2774万人をピークにして、一時的な上昇はあったものの、現在でも減少し続けている。
すでに、生産年齢人口(一五歳から六四歳)は、1995年をピークに減少モードに入っている。さらに、このままで推移していくと、2055年には8900万人にまで減少する。これは80万人都市が毎年一つずつつぶれるという計算になる。さらに、2100年には5000万人に減るという予測である。いずれにしても、生産年齢人口が減少し、高齢者人口は2043年まで増加する。消費市場および労働力市場の減少が、長期的な懸念材料になっている。
対策として移民の受け入れも考えられているが、逆に人口減少そのものが本当に悪いことなのかという問いかけもある。
人口減少に伴いGNPも減少するが、そこでは、労働力の生産性向上が大きなテーマになってくる。一人当たりの生産性をいかに引き上げていくかというビジネスも出てくると思われる。
また、女性や高齢者を積極的に雇用して、生産性を維持していけば、一人当たりのGNPは上昇すると言われている。全体のパイは小さくても、一人ひとりは豊かでゆとりのある社会になる。そうした社会に対して、積極的に移民を入れて1億人のマーケットを維持するべきだという意見もある。
つまり、内需拡大のためには1億人のマーケットがないと厳しいということである。現に、韓国のサムソンが成功しているのは、世界マーケットに進出しているためである。日本の企業も国内市場のみならず世界市場に目を向けるべきであると思われる。
移民受け入れについては、これからも侃侃諤諤の議論が繰り広げられることと思われる。
人口減少でもう一つ注意しなければならないのは、ジェットコースターのような急降下の減り方ではなく、最初は緩やかに落ちていくということである。
例えば、2005年から2015年の間ではトータル約170万人の減少だから、率としては1パーセント強である。ところが、その後の10年間では、500万人、600万人、800万人と急激な減り方をする。平均は80万人/年の減少ということになるが、一律に減少していくわけではないのである。
その中において、団塊世代のリタイアが始まっている。退職金の総額は70兆から80兆円と言われているから、消費に回れば大きなマーケットになる。また団塊世代のリタイアによって、逆ピラミッド型の組織構造がスリムになり、企業収益が改善するという説もある。したがってここ10年間で見れば、人口減少のマイナス面よりもプラスの面が期待できると言えそうである。
いわば、この10年は企業収益における最後の10年間となるから、労働集約型ではない新しい産業をいかに創るかが問われてくる。それが知識産業化と言われているものだろう。
もう一つは、日本にある1500兆円の金融資産と1700兆円の住宅資産をいかにうまく運用していくかということである。
これまでの日本では、貯蓄が美徳とされてきたが、これからは投資国家に変わらなければならない。人口減少、労働集約型産業を含め、下がる部分を金融力でカバーしていく。人口減少の中で豊に生きていくための一つの知恵として、こうした金融力の強化が必要である。
資産運用能力を高めて行き、金融資産を増加させてゆけば、労働人口減少をカバーし、国内において資金力=消費力を持つことは十分可能であろう。
但し地域別にみると人口減少の波は深刻になると思われる。
2000年から2020年の人口増加を都道府県別に見ると、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川の順となる。これらは、増えるというよりも横ばい状況である。他には、滋賀県、福岡県、そして沖縄県が増えている。このように、都道府県間での強弱が目立っている。一方、和歌山、島根は九一パーセント、秋田県は八八パーセントで、伸びる地域と減る地域の明暗がはっきり分かれている。その中で東京の強さは際立っていると言える。
ただし、これは人口問題研究所の数値によるものだが、かなり楽観的な数値である。最悪のシナリオでは、今後増加するのか大東京圏だけとなっている。つまり現在でもまた将来的にも東京だけが栄えて他の地域は衰退すると言うシナリオである。
地方は減少する一方であり、この流れを歯止めをかけることは難しい。特に若年人口も東京圏や都市圏へシフトしている中では、地方の再生は非常に難しいものと思われる。
では人口減少に関しては、政府はどうすべきなのでしょうか?
1)人口減少に対抗して移民政策を実施する
2)人口減少に対抗して母子家庭など含み、育児政策の強化
3)人口減少を受け入れ、1人当たりの生産性を高める
4)人口減少を受け入れ、交流人口を増加させる
ぜひ考えましょう。
また日本の企業は、どのように対策すべきでしょうか?
特に労働人口の減少は深刻な問題ですよね。
1)高齢者と女性の雇用の促進
2)世界的企業ならば、拠点の国際化で世界から人材を獲得
3)1人辺りの生産性の向上を図る
4)何もしない。できない。
4)の答えはありえませんね。1)〜3)は全て対応できないといけませんね。では他に良いアイデアはありますか?(例えば産業用ロボットの拡充するなどですね)
企業もいろいろ考えないとならない事態だと思います。

